2018年12月19日水曜日

中国河北省農林科学院訪問

ちょっと前になりますが、中国河北省農林科学院に招聘されました。
また、トマトへのゲノム編集およびトマトバイオリソースについて講演をしてきました。形質転換やゲノム編集の規制についての質問が結構ありました。中国では現状、遺伝子組換えについては綿が商業栽培されているのみで、あとは、アメリカとかから遺伝子組換えトウモロコシなどが輸入されているそうです。ゲノム編集についてはまだ結論はでておらず、日本はどうだ?という質問もありました。一応、その時点でのマスコミ等でも報道された情報(SDN-1は組換えとは扱わないが、情報を提供する必要あり)を答えておきました。正式な見解は今年度中かと思われますので。

河北省は北京、天津とあわせると1億人もの人口にのぼり、日本とほぼ同じという人口の多い省です。生産現場にも連れて行ってもらいました。河北省農林科学院が作製した品種の販売も行っており、中国全土の約2割はここで育種した品種だそうです。また、降水量が少ないため、省水栽培の研究にも力を入れているとのことでした。

特徴的だったのは、ビニールハウスの形状ですね。日本の一般的なものとは異なり、南向き重視した形です。これにより、暖房代をかけずに栽培することも可能となったそうです。実際、河北省は東北地方ぐらいの緯度で、冬はかなり温度が下がるので、この方法は効果的だそうです。南側の背が低いので作業動線としてはあまり良くないかもしれないが、中国なので、人数は多いから、日本のように省力という発想はないのかもしれません。
 現在、河北省農林科学院も共同研究を積極的に行っており、信州大学と共同研究協定の締結を12月に行ったとのことです。