2021年2月28日日曜日

今年度ももうすぐ終わりです

 早いもので、今年度も、あと1か月となってしまいました。今年度は前半がコロナでほとんどストップした状況なので、後ろの方にしわ寄せがきて忙しないです。

この2月は論文が2つアクセプトになり、良かったです。いずれも「つくばシステム」を用いた成果なのですが、1つはつくばシステムによる一過的発現によりゲノム編集トマトを作出するというものをPlant Cell Reportsに掲載しました。

もう一つは、一過的発現をする際、発現させるタンパク質によっては壊死が起きるのですが、それを抑制する方法です。100mM以上(200mMが経験上効きが良い)という高濃度アスコルビン酸を噴霧するという単純な方法で壊死が抑制できたというものでPlant Physiologyに拾ってもらいました。壊死については総説とかみても、小胞体ストレスが原因だろうとか書いてあるのですが、原因は分かったからどうやったら防げるのか調べても、全くみつかりませんでした。そこが知りたいのに書いていないということは、明らかにされていないことなので、いくつか試すことにした、というのがきっかけです。作りたいタンパク質が壊死によって作れなかったので。この壊死を何とかしたいと思い、常法通り、数mMアスコルビン酸を噴霧しても全く改善されず仕舞いでした。まあ、普通に考えると、ここでおしまいで、他の方法を試すべきなのでしょうが、アスコルビン酸なんて安いものだから、10倍(30mM)、100倍(300mM)を噴霧してしまえと試しました。このような高濃度の液体を植物に与えるということは常識的にはしないのでしょうが、時には常識の範囲外ということも試してみないといけないということでしょう。